三役、揃い踏み
「三役って、俺たちのことか?」 「だろうな」 「三匹いるから、相撲の三役に例えたんだろ」 「俺たちゃ力士か?」 「俺たちを集めて、ご主人は何を書こうとしているんだ?」 「さあ…」 「でも、俺たちが集まるのは今日が初めてだよな」 「俺はポチって言うんだが、お前は?」 「え?俺もポチだぜ」 「俺だってポチだよ」 「何だよ、全員ポチかよ。紛らわしいな」 「”ワン”パターンだな」 「…それって駄洒落か?」...
View Article迷い猫「ポヤ」
暑中お見舞い申し上げます。 今から25年ほど前のこと。 玄関の方向から、何やら猫の鳴き声らしきものが聞こえてきました。 空耳かな?と思いながら玄関を開けてみると 3メートルほど離れて、一匹の猫が佇んでいました。 「ニャ〜」 じっと私を見つめて、逃げる素振りもありません。 「あれ?お前、どこから来たの?」 「ニャ〜」 「お前、ノラか?」 「ニャ〜」 「…」 「ニャ〜」 「入るか?」 「ニャ〜」...
View Article7月24日 日曜日
今、私は珍しく下図を描いています。 普段は下図なしで、本紙にいきなり鉛筆を使って下描きを始めるのですが さすがに今回はそうもいかず、久しぶりに下図を描くことにしました。 それは、実在しない架空の街を創作して50号で描こうとしているからなのです。 私は基本的に実在の風景や建造物を描いてきました。 もちろん絵ですから多少の脚色はありますが、自分の目で見てきた実景をベースとしたものでした。...
View Article7月31日 日曜日
50号の「岩上の街」(仮題)の下図作成を続けることにしました。 下図は前回までで終わりにして本番の50号に移るつもりでしたが もう少し私の抱いているイメージを具体化しておきたくなったのです。 この作品には描こうと決めた当初から、はっきりとした方針がありました。 夜景にする! そのためには、鉛筆の下図だけでは少し不安になったのです。...
View Article個展のご案内・7 長野・松本市梓川アカデミア館
長野県松本市の多目的展示施設「梓川アカデミア館」にて 久しぶりの個展を開催させていただくこととなりました。 2006年以来の開催となります。 梓川アカデミア館は、私の故郷である旧・梓川村にあります。 2005年4月の通称”平成の大合併”以前、私の故郷は「南安曇郡梓川村」という行政区分でした。 「南安曇郡梓川村」は、私が生まれる約1年前の1955年4月に...
View Article個展の御礼
長野県松本市の梓川アカデミア館での個展は本日終了いたしました。 お忙しい中、ご来場いただきました皆様に厚く御礼申し上げます。 今回は平日の3日間という特殊な開催期間で、しかも安曇野では農繁期であったにもかかわらず 思いがけず初日から多数の皆様のご来場を賜りました。 私は事情があって初日しか会場にいることができませんでしたので 2日目、3日目にご来場いただきました皆様には大変失礼をいたしました。...
View Article10月18日 火曜日
イタリア中部に点在する、岩の台地の上に造られた街。 オルヴィエートやチヴィタ・ディ・バーニョレージョなどがよく知られています。 そんな実在の街を参考にしながら架空の街の夜景を50号で描いています。 前回、7月末の段階では下図まででしたが 8月以降は制作を中断することが多くなってしまいました。 10月に入って、個展が終わって、ようやく本格的に再開です。 前回掲載した、鉛筆による6号くらいの下図です。...
View Article10月20日 木曜日
台地の上の街の続きです。 全面に色が入りました。 最初は固有色に近い色を置くのが私の常です。 街並みと崖は、まったく同じ色を使っています。 岩黄土の13番、方解末の11番、岱赭(たいしゃ:赤茶色)などを混ぜたものです。 樹木は、岩鼠の11番、鶯色の11番、青口緑青の11番、方解末の11番などを混ぜています。 薄っすらと塗っただけですので、下描きの鉛筆や水彩が透けて見えています。...
View Article10月23日 日曜日
岩の台地の上の街。 今までとは描き方を変え、早い段階から描写することを主体にしています。 これは前回の状態。 薄めた絵具で、とにかく描写、ひたすら描写の数日間。 こちらが本日の様子。 本日の画像は少々コントラストが低くなっていますが 画像補正をあまり厳密にしていませんので、このような結果になってしまいました。 画面は徐々に暗くなっています。...
View Article10月28日 金曜日
自動書記。 本人の意思とは関係なく、手が勝手に動いて何かを書く。 超自然現象の世界ではよく聞く言葉です。 今の私は、まさに自動書記状態。 もちろん自分の意志で絵を描いているわけですから 自分の意思と無関係に手が動くというのは正確ではないのですが…。 最近の私の描いている姿を傍から見れば 自動書記をしているように見えるかもしれません。...
View Article12月20日 火曜日
前回の更新から、あっという間に二ヶ月近くが過ぎ 気がつくと、すっかり年の瀬も押し詰まってしまいました。 現在、非常に慌しい日々を送っています。 実は年明け1月上旬に転居することとなりました。 その準備が最優先となっていて制作は完全に中断しています。 現在制作中の作品は50号と6号の2点のみ。 年内に仕上げたかったのですが、残念ながら年越しとなりました。...
View Articleインターネット不通のお知らせ
転居に伴い、1月10日(火)より18日(水)午前中まで、我が家ではインターネットが使えなくなります。 我が家のネットはケーブルテレビ経由なのですが 移転工事の申し込みが遅くなり、18日まで工事予約が取れなかったためです…トホホ。 この間コメントをいただきましても、お返事ができませんのでご了承ください。 もちろん電子メール・ウェブメールもできません。 よろしくお願いいたします。...
View Article祝!友人の新ブログ開設
リンクさせていただいています「イタリア・絵に描ける珠玉の町・村 ・ そしてもろもろ!」の作者で イタリア在住のshinkaiさんが、新たに別ブログを立ち上げられました。 「水彩画分室 ・ イタリア・絵に描ける珠玉の町、村」 「水彩画分室」と銘打っておられるように、shinkaiさんの描かれた絵画作品を紹介することに特化しています。...
View Articleその瞬間
2011年3月11日午後2時46分過ぎ。 最初はゆっくりとした揺れでした。 私の暮らす千葉県北西部では震度3程度の地震は時々起こります。 その程度の揺れには慣れっこになっていますので たいていは部屋の様子をじっと見つめるだけで、特に行動を起こすことはありません。 このあたりが震源地になる直下型地震もしばしばあり、その場合はドン!と揺れが始まります。...
View Article2012年 4月30日 月曜日
引越しから4ヶ月近くが経ちました。 仕事は本格的に始まっています。 前の部屋で暮らした時間が永かったせいだと思いますが 他人の部屋に居候しているような落ち着かない気分がしばらく続きました。 仕事を再開してからも、10分ほど描くと集中力が途切れて周りをキョロキョロ見回し 意味もなく、あっちにウロウロ、こっちにウロウロする始末です。 それで仕事を本格的に再開するのがすっかり遅れてしまいました。...
View Article2012年 5月11日 金曜日
現在制作中のアッシジの水飲み場を描いた作品の、今日までの制作過程です。 大きさは15号F(横65.2cm 縦53cm) 鉛筆による下描き 今回制作を始めた4点の内、イタリアを題材にした3点はすべてイタリア在住のshinkaiさんが撮影された写真を基にしています。 すでの何度かご紹介していますが、shinkaiさんはブログ「イタリア・絵に描ける珠玉の町・村 ・ そしてもろもろ!」の作者です。...
View Article2012年 5月14日 月曜日
シエナ派と言えば… イタリア・シエナ周辺でルネサンス期に活動した絵画の一派という認識があると思います。 シモーネ・マルティーニや、兄ピエトロと弟アンブロージョのロレンツェッティ兄弟などが代表格で 私もシエナ派と言われれば絵画だけを連想してしまいます。 しかし、シエナ派には画家だけではなく彫刻家もいることを最近知りました。 シエナのカンポ広場にある「ガイアの泉」の作者ヤコポ・デッラ・クエルチャ。...
View Article2012年 5月26日 土曜日
◆イタリア・アッシジの水飲み場 ここ2週間ほどの進捗状況です。 彩色2 前回に引き続き、とりあえず色を重ねていくことを最優先した作業です。 壁の石は、一応の形を決めるための説明的な描写が主体で、まだどれも同じような強さです。 この作品のポイントとなる斜光線は、この段階ではほとんど無視しています。 彩色3 右からの斜光線を入れ始めました。...
View Article2012年 5月31日 木曜日
◆イタリア・アマルフィのドゥオーモ 彩色に入ってからの制作過程です。 前回ご紹介しましたように、これは夜景にします。 私は20年前にアマルフィを訪れていますが、夜景は取材してありませんでした。 そこで、この作品も「アッシジの水飲み場」「シエナ派の天使」と同じく イタリア在住shinkaiさんの撮影された写真を基にしています。...
View Article2012年 6月8日 金曜日
◆シエナ派の天使 彩色3 天使像本体の描き起しを進めています。 まずは白と焦茶の色鉛筆で、ザックリとした大味の調子をつけていきます。 特に下半身がヌルッとしてきていましたので、大理石らしい肌触りを目指します。 そろそろ背景の方針も決めなければなりません。 実物は壁のすぐ前に置いてあるため、像の右側には隈取のような影があります。...
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