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Channel: 風色明媚
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2012年 5月11日 金曜日

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現在制作中のアッシジの水飲み場を描いた作品の、今日までの制作過程です。
大きさは15号F(横65.2cm 縦53cm)


 鉛筆による下描き


今回制作を始めた4点の内、イタリアを題材にした3点はすべてイタリア在住のshinkaiさんが撮影された写真を基にしています。
すでの何度かご紹介していますが、shinkaiさんはブログ「イタリア・絵に描ける珠玉の町・村 ・ そしてもろもろ!」の作者です。
3年ほど前、たまたま辿り着いたshinkaiさんのブログの中の1点の写真に目が釘付けになりました。
それがアッシジの水飲み場を写したものだったのですが
一目見た瞬間「これだ!」と、全身が総毛立つような衝動を覚えたものでした。

その写真が載っている記事は、 http://italiashio.exblog.jp/5203298/
その中の、◆町点描 5の写真です。
写真をご覧になれば、なぜ私がこの場面を選んだか理解していただけるのではないかと思っています。

そして、この場面はshinkaiさんご自身がすでに絵に描かれています。
その作品画像は、shinkaiさんのもう一つのブログ「水彩画分室・イタリア・絵に描ける珠玉の町・村」に。http://blog.goo.ne.jp/suisaishiho/c/e17d8a93792422873e3a59b7396c2e8c

この場面は、私が今まで描いてきたイタリアの風景の中で五本の指に入るほど気に入っているモチーフです。
これを描くことをshinkaiさんに了承していただき、さらに大きなサイズの写真を送っていただき
私はウキウキ気分で制作を開始することができています。
改めてshinkaiさんに感謝を申し上げます!


さて下描きですが、私はスケッチやデッサンとは少し異なった描き方をします。
もちろんデッサンであることには違いないのですが、彩色のためのガイドでもありますので少々説明的に描いています。
実際にはぼんやりと形が見えているところも、あえてはっきり描いています。
例えば、背後の壁や手前の道の石はどれも同じような強さで描いていて、絵としては一本調子に過ぎます。
この作品の最大のポイントである光や物の陰影も全部は描いていませんので、より説明っぽさが助長されてしまっています。
重々わかっているのですが、私にとって今後のためにはこの方が都合がいいのです。



 彩色1

ざっと一通り色を置いた状態です。
混色して作った茶系の色を2色だけ使っています。
絵具の粒子は最初から11番です。
私は胡粉や黄土などの細かい粒子の絵具で下塗りすることは、必ずしも必要ではないと考えています。
どのような下塗りを施すかは、自由に選択すべきだと思います。

水盤のある四角い壁の右端の一番明るいところは若干斜めになっていますが
もう少し垂直に近くなるように修正した方が安定感が増すように思います。
うしろの壁の石の形は今一つ単調ですので、今後描きながら修正する必要があります。

この段階を「彩色1」としましたが、実際はここまでが下描きだと思っています。
どんな色調で行こうか、とりあえず試してみたに過ぎません。
これからが本格的な彩色となります。

-------------- Ichiro Futatsugi.■


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