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Channel: 風色明媚
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2014年 3月8日 土曜日

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ここのところ、仕事は一応順調に行っています。
10日くらいでブログを更新できているのが何よりの証拠です。
しかし、ぬか喜びは禁物!
どこに落とし穴が隠れているかわかりませんからねぇ。

始めて使う「土佐麻紙の裏」は、私にピッタリ合っているとは思うのですが
やはり何点か描いてみないと断定はできません。
50号は比較的大きい画面ですから、凸凹の紙の表情が分かりやすい小品でも試してみる必要があります。

今回は試用というつもりで50号用に切り分けられた紙を購入して使いましたので端切れしか残っていません。
そこで先週の日曜日に、また新たに土佐麻紙を買ってきました。
それで3〜4号くらいの小品を近日中に始めたいと思っています。

描き続けているサン・ピエトロ聖堂には集中できているのですが
やはり私は何点かを同時進行し、その日・その時の気分によって選んで描く方が性に合っているようです。



■イタリア・トゥスカーニアのサン・ピエトロ聖堂 50号 (第4回)




これは前回2月28日の状態です。





こちらはその一日後、3月1日の状態です。
前回と色調が異なるのは、PCによる色調補正が同じにできなかったからです。

ほとんど描いていなかった、彫刻と薔薇窓の影を入れ始めました。
そして建物各部の影や空の暗さも強調し始めており、全体の印象が大きく変化してきています。
こうして比較してみると、前回が平板であったことがよく分かりますね。


ロマネスク様式の味わいのある彫刻とレリーフに彩られ、白い大理石と暗い凝灰岩で構成された正面壁全体は
この聖堂独特の美しさを醸し出しているのですが、私が描こうと決めたのは、それだけが理由ではないのです。
薔薇窓の周りに配された彫刻が、斜めから差し込んだ直射日光を受けて形作る影が印象的だったのです。

直射日光が作る影は強過ぎて絵に描くことはあまりないのですが
状況によっては、とても鮮烈な印象を与えてくれます。
特に斜光線は、平凡で目立たない物にも劇的な変化をもたらしてくれることがあります。

斜光線で思い出深いのが、一昨年に描いた「久遠の泉」です。
ウンブリア州の古都アッシジにある、目立たない小さな水飲み場を描いたものです。



 「久遠の泉」 15号

この作品は光に魅せられて描いたものでしたが、今回は影です。
もっとも影を描くことは光を描くことに他ならないので、結局は同じことなのですが…。


さて、3月1日から一週間ほど経っていますので、現在の画面はもっと変化しています。
ようやくサン・ピエトロ聖堂の持つ雰囲気が出て来つつありますが
このあたりまでは言わば下仕事であり、説明的な描写が主体でした。

ここから先が本当の絵作り。
私の抱いているイメージに近づけていく仕事が、これから本格化します。


-------------- Ichiro Futatsugi.■



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