◆ 小下図 坂道の泉 4号大 ( 30 × 21.4 cm )
イタリア・アッシジ旧市街のサン・ピエトロ門の近くから
約2キロ離れた新市街(アッシジ駅周辺)の方向へ降りて行く、目立たない細い坂道があります。
その道を100mほど下っていくと、右手に比較的大きな泉が佇んでいます。
泉の周囲にはほとんど民家がないので、住民のための生活用水というわけでもなさそうです。
この道を更に下って行くと、途中でバス通りに合流し、ほぼ一直線に新市街へ延びています。
新市街には聖フランチェスコ所縁のポルツィウンコラ礼拝堂(サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ聖堂内)があります。
もしかしたらこの道は、新市街と旧市街を結ぶ巡礼路のような使われ方をしていたのではないかと。
もちろん公共のインフラとしての道・泉であることが第一でしょうが
交通インフラのなかった時代、巡礼者が旧市街に入る直前に
身を清める手水舎的な役割を持っていたのではないかと想像しています。
本番では20号で描く予定です。
![]()
ドローイングペンで形の描き起こし。
何年か前、北イタリア在住の友人の画家 新開志保さんがアッシジへ旅行された際
この泉の写真をお願いしたところ、送られてきた写真を見てびっくり!
私が訪れた当時(約35年前)とは、だいぶ様変わりしていました。
漆喰が剥がれて積み石が半分以上露出していた祠の部分は新しい漆喰で塗り直されており
泉全体も洗浄されて綺麗になっていました。
もちろん私は当時の状態を描くつもりですが
スケッチは無く、自分で写した写真は行方不明。
そうなると頼みの綱は、ネットとか写真集とか…。
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ガッシュで彩色。
資料探しは難航しました。
世界的な観光地アッシジとは言え、この泉に関心を持つ人は少ないらしく
ネット上の膨大なアッシジの画像の中からも、なかなか見つけ出すことができません。
ストリートビューでさえ、この坂道は対象になっていないのです。
ようやく、写真集に1点、ネットで1点、古い写真が見つかりました。
そこで新開さんの写真をベースにし、それらを参考にして当時の記憶を辿って描いています。
一応、ここまで描いて下図を終了することにしましたが
いくつか気になるところも出てきています。
祠の頂上付近は長年の汚れで真っ黒になっていて
それが面白いと、そのまま描きましたが
この作品では明るくした方がいいような気もします。
祠の中には、聖母子像の絵が飾られていますが
はっきり描いても意味がないと思って曖昧にしてあります。
が、せめて小さな花でも供えた方がいいかなぁと思い直しています。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
本日のおまけ
YouTube より、アニメ「The Last Knit」をどうぞ。
崖の上で編み物に没頭するおばさんが一人登場するだけのシンプルなCGアニメ。
YouTube で観たアニメの中でも、これは最も好きなものの一つ。
内容などの余計なことは書かずにおきますので、まずはご覧ください。
------------- Ichiro Futatsugi.■
イタリア・アッシジ旧市街のサン・ピエトロ門の近くから
約2キロ離れた新市街(アッシジ駅周辺)の方向へ降りて行く、目立たない細い坂道があります。
その道を100mほど下っていくと、右手に比較的大きな泉が佇んでいます。
泉の周囲にはほとんど民家がないので、住民のための生活用水というわけでもなさそうです。
この道を更に下って行くと、途中でバス通りに合流し、ほぼ一直線に新市街へ延びています。
新市街には聖フランチェスコ所縁のポルツィウンコラ礼拝堂(サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ聖堂内)があります。
もしかしたらこの道は、新市街と旧市街を結ぶ巡礼路のような使われ方をしていたのではないかと。
もちろん公共のインフラとしての道・泉であることが第一でしょうが
交通インフラのなかった時代、巡礼者が旧市街に入る直前に
身を清める手水舎的な役割を持っていたのではないかと想像しています。
本番では20号で描く予定です。

ドローイングペンで形の描き起こし。
何年か前、北イタリア在住の友人の画家 新開志保さんがアッシジへ旅行された際
この泉の写真をお願いしたところ、送られてきた写真を見てびっくり!
私が訪れた当時(約35年前)とは、だいぶ様変わりしていました。
漆喰が剥がれて積み石が半分以上露出していた祠の部分は新しい漆喰で塗り直されており
泉全体も洗浄されて綺麗になっていました。
もちろん私は当時の状態を描くつもりですが
スケッチは無く、自分で写した写真は行方不明。
そうなると頼みの綱は、ネットとか写真集とか…。

ガッシュで彩色。
資料探しは難航しました。
世界的な観光地アッシジとは言え、この泉に関心を持つ人は少ないらしく
ネット上の膨大なアッシジの画像の中からも、なかなか見つけ出すことができません。
ストリートビューでさえ、この坂道は対象になっていないのです。
ようやく、写真集に1点、ネットで1点、古い写真が見つかりました。
そこで新開さんの写真をベースにし、それらを参考にして当時の記憶を辿って描いています。
一応、ここまで描いて下図を終了することにしましたが
いくつか気になるところも出てきています。
祠の頂上付近は長年の汚れで真っ黒になっていて
それが面白いと、そのまま描きましたが
この作品では明るくした方がいいような気もします。
祠の中には、聖母子像の絵が飾られていますが
はっきり描いても意味がないと思って曖昧にしてあります。
が、せめて小さな花でも供えた方がいいかなぁと思い直しています。
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本日のおまけ
YouTube より、アニメ「The Last Knit」をどうぞ。
崖の上で編み物に没頭するおばさんが一人登場するだけのシンプルなCGアニメ。
YouTube で観たアニメの中でも、これは最も好きなものの一つ。
内容などの余計なことは書かずにおきますので、まずはご覧ください。
------------- Ichiro Futatsugi.■