小下図　その23　安曇野 (2)

◆ 小下図　穂高の清流　４号大　（ 30 × 20.7 cm ）


山葵を栽培するには清冽な湧水が必要不可欠です。
長野県安曇野は、北アルプスから流れ出した土砂が作った扇状地にあり
澄み切ったアルプスの伏流水が豊富に湧き出ています。

私の生まれ故郷にほど近い、安曇野市穂高地区は山葵の一大産地です。
このモチーフは、最も規模が大きい山葵田である「大王わさび農場」の脇を流れる蓼川（たてかわ）です。

蓼川は、点在する大小の山葵田で使われた水を集め
犀川（さいがわ：日本最長の信濃川の上流）に流れて行きます。
よって水質は、ほぼ湧き水100％を誇る清流です。

本番では15〜20号で描く予定です。






ドローイングペンで描き起こし。

右奥に見える水車小屋は、黒澤明の映画「夢」で使われたもの。
この場面は、水車小屋より少し上流からの眺めです。
水車小屋の奥の方に、土手を隔てて大王わさび農園が位置します。

この辺りの両岸は、樹木がよく保存されて繁茂しており
それらは川の上に覆い被さって、緑のトンネルのようになっています。









ガッシュで彩色。

この画面の左端の土手の向こうには一般河川の万水川（よろずいがわ）が並走しており
水車小屋の少し先で両者は合流します。
一般河川と湧き水の川では、水温や水質がかなり異なるため
合流しても、しばらくは混じることがないそうです。

そして、清流の証と言えるのが、川底にびっしりと繁茂する梅花藻です。
流れのある低い水温の清流以外では育ちにくい植物で
夏前後には、梅に似た可愛らしい白い花を咲かせます。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

本日のおまけ

YouTube から「ミルクケース 」 - ストップモーション木工 を。

動画に添えられた作者のコメントにもありますが、CGなし、加工なし。
１コマずつ撮影した画像を組み合わせたストップモーション・アニメーション、通称コマ撮りです。

コマ撮り自体は古くから使われてきた手法で珍しくはありませんが
こういう使い方もあったのかと感心させられます。

私も工作は好きなので、こんなことが本当にできたら楽でいいなぁと、つくづく思います。





------------- Ichiro Futatsugi.■