◆ ヴェネツィアのカフェ 日本画 50号 第2回
イタリア北部、アドリア海に面し、かつて海洋国家として栄華を極めた古都ヴェネツィア。
その中心部のサン・マルコ広場で長い歴史を誇る老舗カフェ「カッフェ・フロリアーン」をモデルにして
この街だけが持つ特異な空気感を描こうとしています。
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前回の状態
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回廊にたむろする客やカメリエーレ、通行人などが一応決まったところです。
こういう”人物群像”的なものは、学生時代にも描いたことがなく初体験です。
いつもより輪郭線を強調気味に、かなり黒々と描いていますが、夜景にするからというわけではなく
後から洗ったり、色をかけたりして、黒が薄くなることを想定して意識的に強めに描いています。
このあたりまでは、とにかく物の形を一通り描いておくことを最優先にしています。
夜景らしい全体の大きな明暗の階調は、まだ考慮していません。
まだ形の決まっていない部分が多少残っていますが
徐々に明暗の調子も入れ始めています。
今のところは、昼間に眺めたらこんな感じ…という状態です。
そろそろ色を入れ始めます。
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一通り色が入った状態です。
全体の基調色は、夜景としてはオーソドックスな暖色系にします。
そろそろ夕暮れ時が近づいてきたという状態まで来ました。
最初にテールベルト(天然緑土)を主体とした渋目の緑を置き
その上から代赭・カドミウムイエローなどを適宜入れています。
まだ彩色が始まったばかりで、様子見ということもあり
いずれの色もかなり水で薄めて、いわば「おつゆ描き」をしています。
現在は、もう少し進んでいます。
ずっと「おつゆ描き」で、ゆっくりと、色や調子をつけて行っています。
今まで好んで描いてきた石積みが全く見えず、多少の戸惑いはありますが
どのような建築様式であれ、何百年もの時が染み込んだ強烈な存在感を第一に考え
「おつゆ描き」の一筆一筆で、ヴェネツィアの経てきた時間を塗り込んで行くように描いています。
では、今回で今年の更新は最後となります。
皆さん、どうぞ良いお年をお迎えください。
------------- Ichiro Futatsugi.■
イタリア北部、アドリア海に面し、かつて海洋国家として栄華を極めた古都ヴェネツィア。
その中心部のサン・マルコ広場で長い歴史を誇る老舗カフェ「カッフェ・フロリアーン」をモデルにして
この街だけが持つ特異な空気感を描こうとしています。

前回の状態

回廊にたむろする客やカメリエーレ、通行人などが一応決まったところです。
こういう”人物群像”的なものは、学生時代にも描いたことがなく初体験です。
いつもより輪郭線を強調気味に、かなり黒々と描いていますが、夜景にするからというわけではなく
後から洗ったり、色をかけたりして、黒が薄くなることを想定して意識的に強めに描いています。
このあたりまでは、とにかく物の形を一通り描いておくことを最優先にしています。
夜景らしい全体の大きな明暗の階調は、まだ考慮していません。
まだ形の決まっていない部分が多少残っていますが
徐々に明暗の調子も入れ始めています。
今のところは、昼間に眺めたらこんな感じ…という状態です。
そろそろ色を入れ始めます。

一通り色が入った状態です。
全体の基調色は、夜景としてはオーソドックスな暖色系にします。
そろそろ夕暮れ時が近づいてきたという状態まで来ました。
最初にテールベルト(天然緑土)を主体とした渋目の緑を置き
その上から代赭・カドミウムイエローなどを適宜入れています。
まだ彩色が始まったばかりで、様子見ということもあり
いずれの色もかなり水で薄めて、いわば「おつゆ描き」をしています。
現在は、もう少し進んでいます。
ずっと「おつゆ描き」で、ゆっくりと、色や調子をつけて行っています。
今まで好んで描いてきた石積みが全く見えず、多少の戸惑いはありますが
どのような建築様式であれ、何百年もの時が染み込んだ強烈な存在感を第一に考え
「おつゆ描き」の一筆一筆で、ヴェネツィアの経てきた時間を塗り込んで行くように描いています。
では、今回で今年の更新は最後となります。
皆さん、どうぞ良いお年をお迎えください。
------------- Ichiro Futatsugi.■