◆ ヴェネツィアの運河 4号 パステル 第2回
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前回の状態です。
さて、私がパステルを重点的に描き始めたのが約1年前でした。
それ以前から持っていた日本のゴンドラというソフトパステルをメインに使ってきたのですが
先日、新たにオランダのレンブラントというブランドを導入してみたのです。
ゴンドラに慣れた身には、レンブラントはまるでハードパステルのようです。
ずっと硬くて、表面はローソクのように艶々としています。
ゴンドラは黒板用のチョークのような粉っぽい質感なのですが
おそらく顔料を固める粘着剤が、両者で大きく異なるのだと思います。
私が購入したレンブラントはハーフサイズなのですが、それでもゴンドラの倍ほどの長さがあり
顔料の比重にもよりますが、ずしっとした重さを感じます。
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上からゴンドラ、レンブラントのハーフサイズ、レンブラントのフルサイズ。
長さはゴンドラが2cm、レンブラントのハーフサイズが3.5cmで、フルサイズが7cmあります。
発色は、ゴンドラはやや粉っぽくて軽めの色合いで、レンブラントの方が鮮やかで重厚です。
紙への定着性は、混ぜ込まれている粘着剤の性質によるところが大きいと思いますが
レンブラントの方がゴンドラより落ちにくいようです。
ですから、色の伸び(擦った場合の広がり具合)は、逆にゴンドラの方が良いです。
もちろん粘着剤はメディウムではありませんので、最終的な定着にはフィキサチーフなどの定着剤を使うことになります。
フィキサチーフによる色調の変化も、粉っぽいゴンドラの方が大きいようです。
レンブラントのような硬めのパステルの利点として、エッジ(角)で描きやすいということが挙げられます。
尖らせたパステル鉛筆ほどには緻密な描写に適していませんが、髪の毛のような細い線も比較的楽に引けます。
半月ほど使ってみてレンブラントのパステルからは好感触を得ましたが
では今後は全面的にレンブラントに移行した方が良いかと言うと、そうとも言い切れません。
ゴンドラにはゴンドラの利点があり、状況によってはゴンドラの方が使いやすいと感じる場合もあるのです。
両者の描き味はかなり異なりますので、適材適所で使い分けるべきだと思います。
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8月中旬頃の状態です。
縦横に張り巡らされたヴェネツィアの運河の中でも、このような小さな運河は
他の一般の街で言えば、裏通りの細い路地のようなものです。
観光客の目に触れる大通りなどは整備されて綺麗になっていますが
地元の人しか行き交うことのないような路地は、その街の辿って来た時間が生々しく現れて息づいています。
そのようなものが少しでも描けたらと思っています。
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8月末の状態です。
仕上がりに近づき、そろそろ最終的な微調整に入る段階に来ていると思います。
しかし、前回と比べると絵の主題・狙いが、やや弱くなっているようにも感じます。
画面の密度や厚味は上がってきましたが、ここで1度原点に立ち返る必要があると思います。
◆新作 ジークレー下地のパステル 4点 サムホール
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「白妙」 白いシクラメン 作品ベース
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「杜の館」 長野県安曇野・碌山美術館 作品ベース
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「窓辺」 イタリア・トゥレーヴィ 作品ベース
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「花の城趾」 長野県・高遠城趾公園 作品ベース
-------------- Ichiro Futatsugi.■

前回の状態です。
さて、私がパステルを重点的に描き始めたのが約1年前でした。
それ以前から持っていた日本のゴンドラというソフトパステルをメインに使ってきたのですが
先日、新たにオランダのレンブラントというブランドを導入してみたのです。
ゴンドラに慣れた身には、レンブラントはまるでハードパステルのようです。
ずっと硬くて、表面はローソクのように艶々としています。
ゴンドラは黒板用のチョークのような粉っぽい質感なのですが
おそらく顔料を固める粘着剤が、両者で大きく異なるのだと思います。
私が購入したレンブラントはハーフサイズなのですが、それでもゴンドラの倍ほどの長さがあり
顔料の比重にもよりますが、ずしっとした重さを感じます。

上からゴンドラ、レンブラントのハーフサイズ、レンブラントのフルサイズ。
長さはゴンドラが2cm、レンブラントのハーフサイズが3.5cmで、フルサイズが7cmあります。
発色は、ゴンドラはやや粉っぽくて軽めの色合いで、レンブラントの方が鮮やかで重厚です。
紙への定着性は、混ぜ込まれている粘着剤の性質によるところが大きいと思いますが
レンブラントの方がゴンドラより落ちにくいようです。
ですから、色の伸び(擦った場合の広がり具合)は、逆にゴンドラの方が良いです。
もちろん粘着剤はメディウムではありませんので、最終的な定着にはフィキサチーフなどの定着剤を使うことになります。
フィキサチーフによる色調の変化も、粉っぽいゴンドラの方が大きいようです。
レンブラントのような硬めのパステルの利点として、エッジ(角)で描きやすいということが挙げられます。
尖らせたパステル鉛筆ほどには緻密な描写に適していませんが、髪の毛のような細い線も比較的楽に引けます。
半月ほど使ってみてレンブラントのパステルからは好感触を得ましたが
では今後は全面的にレンブラントに移行した方が良いかと言うと、そうとも言い切れません。
ゴンドラにはゴンドラの利点があり、状況によってはゴンドラの方が使いやすいと感じる場合もあるのです。
両者の描き味はかなり異なりますので、適材適所で使い分けるべきだと思います。

8月中旬頃の状態です。
縦横に張り巡らされたヴェネツィアの運河の中でも、このような小さな運河は
他の一般の街で言えば、裏通りの細い路地のようなものです。
観光客の目に触れる大通りなどは整備されて綺麗になっていますが
地元の人しか行き交うことのないような路地は、その街の辿って来た時間が生々しく現れて息づいています。
そのようなものが少しでも描けたらと思っています。

8月末の状態です。
仕上がりに近づき、そろそろ最終的な微調整に入る段階に来ていると思います。
しかし、前回と比べると絵の主題・狙いが、やや弱くなっているようにも感じます。
画面の密度や厚味は上がってきましたが、ここで1度原点に立ち返る必要があると思います。
◆新作 ジークレー下地のパステル 4点 サムホール

「白妙」 白いシクラメン 作品ベース

「杜の館」 長野県安曇野・碌山美術館 作品ベース

「窓辺」 イタリア・トゥレーヴィ 作品ベース

「花の城趾」 長野県・高遠城趾公園 作品ベース
-------------- Ichiro Futatsugi.■