2018年最初の更新です。
今年も、どうぞよろしくお願いいたします。
◆ ヴェネツィアのカフェ 日本画 50号 第3回
ヴェネツィアの老舗カフェ「カッフェ・フロリアーン」をモデルにして描いています。
海洋都市国家としてアドリア海に面して造営されたヴェネツィアを訪れるには、海から入るのが王道。
そのようによく言われますが、残念ながら私は陸路でしか入ったことがありません。
それでも、イタリア本土側のヴェネツィア・メストレを過ぎ、終着駅ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅に向けて
ラグーナと呼ばれる浅瀬の上に架けられた鉄道橋を列車が静々と進むにつれ
異世界に吸い込まれて行くような、どこか尋常ならざる独特のトキメキを覚えたものです。
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前回の状態
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回廊の柱には、かなりの塗りムラがありますが
実際にはこれほど斑らになっているわけではありません。
最初は意図的に、必要以上に塗りムラを作るような描き方をしています。
この建物に使われている石は、きちんと整形され、さらに漆喰で上塗りされていて
一見すると(形だけ見ると)かなり整った造りになっています。
とは言え、石工や漆喰職人が手作業でコツコツ造り上げたものですから
整然としてスマートな今時の建築とは全く違う味わいがあります。
そして、そこには何百年もの時が染み込んでいます。
そういう、ヴェネツィアが経てきた時の厚みのようなものを表現するために
職人たちの仕事や、街の歴史や、経年変化に多大な影響を及したであろう自然環境などを想像しながら描いています。
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どのように描くか決めかねていたフロリアーンの店内の様子と
フロリアーンの壁の、漆喰の剥落によってできた独特の斑模様を一応描き入れたところです。
まだ人物群像には方向性の決まっていないところが残っていますが
これで一通り手が入り、状況説明のような仕事は一段落です。
これからは私のイメージに近づけて行く作業が本格化します。
------------- Ichiro Futatsugi.■
今年も、どうぞよろしくお願いいたします。
◆ ヴェネツィアのカフェ 日本画 50号 第3回
ヴェネツィアの老舗カフェ「カッフェ・フロリアーン」をモデルにして描いています。
海洋都市国家としてアドリア海に面して造営されたヴェネツィアを訪れるには、海から入るのが王道。
そのようによく言われますが、残念ながら私は陸路でしか入ったことがありません。
それでも、イタリア本土側のヴェネツィア・メストレを過ぎ、終着駅ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅に向けて
ラグーナと呼ばれる浅瀬の上に架けられた鉄道橋を列車が静々と進むにつれ
異世界に吸い込まれて行くような、どこか尋常ならざる独特のトキメキを覚えたものです。

前回の状態

回廊の柱には、かなりの塗りムラがありますが
実際にはこれほど斑らになっているわけではありません。
最初は意図的に、必要以上に塗りムラを作るような描き方をしています。
この建物に使われている石は、きちんと整形され、さらに漆喰で上塗りされていて
一見すると(形だけ見ると)かなり整った造りになっています。
とは言え、石工や漆喰職人が手作業でコツコツ造り上げたものですから
整然としてスマートな今時の建築とは全く違う味わいがあります。
そして、そこには何百年もの時が染み込んでいます。
そういう、ヴェネツィアが経てきた時の厚みのようなものを表現するために
職人たちの仕事や、街の歴史や、経年変化に多大な影響を及したであろう自然環境などを想像しながら描いています。

どのように描くか決めかねていたフロリアーンの店内の様子と
フロリアーンの壁の、漆喰の剥落によってできた独特の斑模様を一応描き入れたところです。
まだ人物群像には方向性の決まっていないところが残っていますが
これで一通り手が入り、状況説明のような仕事は一段落です。
これからは私のイメージに近づけて行く作業が本格化します。
------------- Ichiro Futatsugi.■