◆ ヴェネツィアのカフェ 日本画 50号 第3回
カッフェ・フロリアーンのあるサン・マルコ広場は、もちろん何度かウロウロしているのですが
歴史的な文化遺産の一つと言えるフロリアーンの記憶は全くないのです。
「あれがフロリアーン、これがクワードゥリ」と、お上りさんのように一度は視線を向けたはずだとは思いますが
30年ほど前の私には、そして数年前まで、何ら興味の対象ではありませんでした。
実のところ、ヴェネツィアの中で心惹かれる場所はどこか?と尋ねられても
フロリアーンを上位に挙げることは…う〜ん、多分ないだろうと思います。
では、なぜ今こうして描いているのか、自分のことながら少し意外な気もしているのです。
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前回の状態
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フロリアーンの記憶が全くないということは、現場での取材がないということでもあります。
そこで写真が頼みの綱になります。
事前に集められるだけの写真を参考資料として集めましたが
特に夜景の場合は、暗いところは黒く潰れやすく、明るいところは白く飛びやすいものです。
一般的なカメラには人間の眼ほどの識別力はないので、その点は注意が必要になります。
とは言え、写真は人の気づかないものを写し取ることがあります。
対象の持つ意外な一面を垣間見せてくれることもしばしばです。
それが自分の固定観念を吹き飛ばし、視野を広げてくれることがあるのです。
この作品も1枚の写真がきっかけで描き始めたものです。
その写真に出会った瞬間に心の中を駆け巡った「驚き」「ときめき」を
どこまで描き出すことができるかがポイントになります。
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最近は日除け幕に時間を割くことが多く、それ以外の部分が少し疎かになってきています。
空間の統一感や、夜の空気感は徐々に出てきているように思いますが
まだ状況説明の域を超えていないところが目につくように感じています。
仕上がるまでに、もうしばらく時間がかかりそうです。
------------- Ichiro Futatsugi.■
カッフェ・フロリアーンのあるサン・マルコ広場は、もちろん何度かウロウロしているのですが
歴史的な文化遺産の一つと言えるフロリアーンの記憶は全くないのです。
「あれがフロリアーン、これがクワードゥリ」と、お上りさんのように一度は視線を向けたはずだとは思いますが
30年ほど前の私には、そして数年前まで、何ら興味の対象ではありませんでした。
実のところ、ヴェネツィアの中で心惹かれる場所はどこか?と尋ねられても
フロリアーンを上位に挙げることは…う〜ん、多分ないだろうと思います。
では、なぜ今こうして描いているのか、自分のことながら少し意外な気もしているのです。

前回の状態

フロリアーンの記憶が全くないということは、現場での取材がないということでもあります。
そこで写真が頼みの綱になります。
事前に集められるだけの写真を参考資料として集めましたが
特に夜景の場合は、暗いところは黒く潰れやすく、明るいところは白く飛びやすいものです。
一般的なカメラには人間の眼ほどの識別力はないので、その点は注意が必要になります。
とは言え、写真は人の気づかないものを写し取ることがあります。
対象の持つ意外な一面を垣間見せてくれることもしばしばです。
それが自分の固定観念を吹き飛ばし、視野を広げてくれることがあるのです。
この作品も1枚の写真がきっかけで描き始めたものです。
その写真に出会った瞬間に心の中を駆け巡った「驚き」「ときめき」を
どこまで描き出すことができるかがポイントになります。

最近は日除け幕に時間を割くことが多く、それ以外の部分が少し疎かになってきています。
空間の統一感や、夜の空気感は徐々に出てきているように思いますが
まだ状況説明の域を超えていないところが目につくように感じています。
仕上がるまでに、もうしばらく時間がかかりそうです。
------------- Ichiro Futatsugi.■