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Channel: 風色明媚
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2017年 3月30日 木曜日

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◆ フロイデンベルグの街並み 20号 第8回

ドイツのフロイデンベルグ(フロデンベルグ)の街並みを描き続けています。
彩色に入ってから、そろそろ3ヶ月が経過します。

50軒ほどのコロンバージュ(木骨造り)の民家が規則的に建ち並んでいますが
幾何形体が画面の半分くらいを占めるモチーフを描くのは初めてのことです。
こういうモチーフは本来苦手なのですが、やっぱり疲れますねぇ。




前回の状態(彩色11)

いろいろ紆余曲折があって、予想外に行きつ戻りつを繰り返しましたが
仕上げに入る前に、雰囲気を出す前に、民家の形をきちんとしておきたくて
味気なく硬くなるのを覚悟で描き起こしたところです。
木組みは、白壁を描き起こすことによって相対的にはっきりしてきましたが、この段階で描き起こしはしていません。







彩色12

仕上げに入る前の最後の大勝負…と言うのはいささか大袈裟ですが
画面全体の雰囲気のベースを作るために、街並み全体に刷毛で色をかけました。
白くなり過ぎるチタニウム・ホワイトの性質を考慮して絵具の薄め具合を慎重に調節し
1回かけては乾かし、様子を見ながら数回かけたところです。







彩色13

仕上げに向けての描き起こしを再開しています。
この先、描き起こした部分が再び消えないように、街並み全体に色をかけるつもりはなく
部分的に平筆で軽くかける程度にとどめるようにしていきます。

画面の左3分の1、中央3分の1、右3分の1、少し描き方を変えて描いています。
左は、以前と同じく白壁だけを単純に描き起こしています。
中央は、白壁を描き起こすと同時に、建物2、3軒の単位で壁の色をかけてボカしています。
右は、白壁を描き起こさずに、壁の色を塗ってはボカしを繰り返して調子をつけています。
もちろん最終的に表現がバラバラになると困りますので
もう少ししたら、いずれかの方法に統一するつもりです。

さて、こういう幾何形体の多いモチーフを描くのは初めてのことで慣れていないためか
明けても暮れても四角と三角の描き起こしを続けている内に、少々神経衰弱気味に。きゃはは!
この作品を描き始めてからは、ずっとこれ一点に集中しており
当初は3月中に仕上げる予定でいたのですが、まだしばらくかかりそうです。
さすがに、そろそろ気分転換が必要だという想いが募り、最近は他の作品も同時進行するようになっています。








◆ リクヴィールの吊り看板 日本画 6号 続編1

昨年、フランス・アルザス地方にある珠玉の村リクヴィールの吊り看板を描きました。
ストラスブール、コルマール、リクヴィール、エグィスハイムなど、アルザス地方の街や村は
フロイデンベルグと同じコロンバージュ様式の建物で有名です。
しかし、アルザスの方が遥かにカラフルで味わい深く、お伽噺の世界がそのまま再現されたかのような風情があります。

この作品は、看板の架かっている建物は簡略化し、看板に的を絞ったものでした。
モデルにしたのは、細い路地裏にあるホテル・ア・ロリエルの、いかにも宿屋らしい看板です。





昨年、一応仕上がったと判断した状態。

あれからしばらく時間が経ちましたが、どこかスッキリしないものを感じていました。
画面左側の看板の付け根周辺、特に付け根から右側の明るい部分と
看板のアームの左半分くらいの描き方に問題がありそうだという想いが強くなってきました。

一応仕上がりとしたものの、このまま違和感を無視することもできず
再び手を入れ、この違和感が正しかったかどうかを試してみることにしました。







加筆1

具体的な修正方法は今のところ思い浮かびませんので
まずは、気になるところ全体を塗り潰すことにしました。

空と同じ色で、画面左半分を塗り潰しました。
看板のアームがほんのりと識別できる程度に。
そして再びアームを描き起こし始めたところです。

この看板は、大筋で実物に忠実に描いていますが
少し形を変えようかとも考えています。
アーム全体を少し左に伸ばすとか…。








◆ プレーチの夜 日本画 4号 第3回

イタリア・ウンブリア州の片隅の山間部にある小さな街プレーチを描いていますが
しばらく制作が中断しており、昨年9月以来の掲載になります。

前回の掲載以降も少しは手を入れていたのですが、何か気持ちに引っかかるものが取れずにいました。
どこか何かがおかしく見えて仕方がないのです。




前回の状態(彩色2)

特に街並みの形が気になっていました。
実物と大きく違っているわけではないのですが、どこか違和感を感じるのです。
私の頭にあるプレーチのイメージ・印象とは少し違うのです。
何度か修正してみたのですが、印象の違いがどうにもならないところまで来ましたので
思い切って塗り潰し、もう一度描き起こすことにしました。







彩色3

少し霧のかかった夜の雰囲気を出しつつ、街並みをほぼ塗り潰し、街灯を描き起こし始めたところです。
建物の輪郭が薄らと識別できる程度まで色をかけたのですが、幸いなことに街灯の位置ははっきりと残ってくれました。
これまでは、街並みを明るく描いてから暗く落とすという描き方でしたが
今後は、街灯(ライトアップも含めて)の光を追いながら建物の形を浮かび上がらせるという方法に変えます。

街灯を少しだけ描き起こしたものの、明るいところがほとんど無いので、まるでゴーストタウンのようです。
もしかしたら、昨年の大地震の後、プレーチはこのような夜景だったのかもしれません。
震源地周辺の多くの街や村が甚大な被害に見舞われ、プレーチも少なからず被害が出たと聞いていますが
どの程度の被害だったのか、ネットで調べてもほとんど情報が出て来ないのです。

おそらく復旧工事は徐々に進んでいるのだろうと思います。
私のプレーチもご覧のような有様になってしまいましたので、これから復旧工事です!


-------------- Ichiro Futatsugi.■


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