◆ フロイデンベルグの街並み 20号 第4回
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前回の状態
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彩色5
細かい仕事はひとまず終えて、画面全体の色調をイメージに近づけて行きます。
青い部分はコバルト・ブルー・ディープを主体に、刷毛で何度かかけています。
白壁(木組みも含む)は、チタニウム・ホワイトに若干のコバルト・ブルーを加えたものや
場所によってはオキサイド・グリーンにチタニウム・ホワイトを加えたものを
色を置いては軽く刷毛でボカすという作業を繰り返しています。
予想以上に白っぽく、ホワッとし過ぎてしまいました。
この画像は、やや明るく低コントラストに補正し過ぎた感がありますが
それでも、かなり白っぽくなってしまったのは確かです。
大雑把な下描きの線を薄くするためでもありますが
初めて使っているチタニウム・ホワイトの影響の大きさを見誤ったせいでもあります。
そこで、そのチタニウム・ホワイトの話を。
白色顔料は様々ありますが、日本画の場合、代表的なものは胡粉です。
原料は風化させた牡蠣殻で、主成分は炭酸カルシウム。
私が日常的に使う白亜(チョーク)は、藻などの海中生物が化石化したもので主成分はやはり炭酸カルシウム。
チタニウム・ホワイトは酸化チタンが原料で、最も白さの際立つ白色顔料です。
隠蔽力(下の色を覆い隠してしまうこと)・着色力(他の色に影響を与えやすいこと)が強く
他の色との混色では、微量でも驚くほど白っぽくなってしまいます。
この作品でもチタニウム・ホワイトの隠蔽力の強さを考慮して
単独で使う場合は薄めに、他の色に混ぜる場合は少なめにしているのですが
何度か重ねている内に、気がつくと予想以上に画面が白っぽくなってしまっています。
チタニウム・ホワイトは、かなり薄めた場合でも
乾く前の濡れ色はかなり白く見えるという性質があります。
乾くと、さほど白くないので、ついつい何度も塗っている内に
隠蔽力が威力を発揮してきて他の色を食ってしまいます。
今回初めて使っているので、その性質がまだ完全に飲み込めていませんが
私にとっては、胡粉や白亜よりも使いやすい白だなと感じています。
さて、予想以上に白っぽく、ホワッとし過ぎましたので
これからは、また家並みを描き起こして行きます。
-------------- Ichiro Futatsugi.■

前回の状態

彩色5
細かい仕事はひとまず終えて、画面全体の色調をイメージに近づけて行きます。
青い部分はコバルト・ブルー・ディープを主体に、刷毛で何度かかけています。
白壁(木組みも含む)は、チタニウム・ホワイトに若干のコバルト・ブルーを加えたものや
場所によってはオキサイド・グリーンにチタニウム・ホワイトを加えたものを
色を置いては軽く刷毛でボカすという作業を繰り返しています。
予想以上に白っぽく、ホワッとし過ぎてしまいました。
この画像は、やや明るく低コントラストに補正し過ぎた感がありますが
それでも、かなり白っぽくなってしまったのは確かです。
大雑把な下描きの線を薄くするためでもありますが
初めて使っているチタニウム・ホワイトの影響の大きさを見誤ったせいでもあります。
そこで、そのチタニウム・ホワイトの話を。
白色顔料は様々ありますが、日本画の場合、代表的なものは胡粉です。
原料は風化させた牡蠣殻で、主成分は炭酸カルシウム。
私が日常的に使う白亜(チョーク)は、藻などの海中生物が化石化したもので主成分はやはり炭酸カルシウム。
チタニウム・ホワイトは酸化チタンが原料で、最も白さの際立つ白色顔料です。
隠蔽力(下の色を覆い隠してしまうこと)・着色力(他の色に影響を与えやすいこと)が強く
他の色との混色では、微量でも驚くほど白っぽくなってしまいます。
この作品でもチタニウム・ホワイトの隠蔽力の強さを考慮して
単独で使う場合は薄めに、他の色に混ぜる場合は少なめにしているのですが
何度か重ねている内に、気がつくと予想以上に画面が白っぽくなってしまっています。
チタニウム・ホワイトは、かなり薄めた場合でも
乾く前の濡れ色はかなり白く見えるという性質があります。
乾くと、さほど白くないので、ついつい何度も塗っている内に
隠蔽力が威力を発揮してきて他の色を食ってしまいます。
今回初めて使っているので、その性質がまだ完全に飲み込めていませんが
私にとっては、胡粉や白亜よりも使いやすい白だなと感じています。
さて、予想以上に白っぽく、ホワッとし過ぎましたので
これからは、また家並みを描き起こして行きます。
-------------- Ichiro Futatsugi.■